|1|JTの設計思想に基づく、明確なターゲット像の共有
JTの商品開発は極めて精緻だ。開発段階ではすでに、狙うべきターゲット像が明確に言語化されている。本案件でも、オリエンの時点で用意されていたのは:
・ 商品コンセプト(強メンソール×冷感×華奢な印象)
・ 想定されるペルソナ(都会的/強さと美しさ/夜型)
・ 使用シーンや佇まい(バッグの中で、夜のカウンターで、静かに光る)
この人物像に、私たちデザイン側がさらなるイメージの肉付けを行い、“商品がキャラクターに見える”ような世界観設計へと発展させていく。
|2|「小悪魔」「夜の蝶」「氷」──言葉から視覚へ変換するプロセス
ターゲット像の周辺には、「小悪魔」「夜の蝶」「冷たい美しさ」といったキーワード(言語的イメージ)が存在した。私たちはそれらを感覚的に、かつ多面的に解釈することで、
・ 鏡のようなメタリックシルバー
・ 夜の闇に映える輝く月の輪郭
・ 冷たさと煌めきを両立するスワロフスキーのホログラム
といった具体的なビジュアルアイデアに落とし込んだ。言語から視覚へ、“感性の翻訳”がなされた瞬間である。
|3|デザインの幅を広げながら、狙いを絞る──理にかなった進行設計
本プロジェクトの優れていた点は、初期設計段階で方向性のズレが少なかったことである。理由は明確で、
・ 商品コンセプトが明瞭
・ ペルソナが詳細に設定されている
・ キーワードが共有されている
こうした状態でデザインチームが動き出すことで、
・ 狙いがぶれない
・ しかしその中で表現の幅を広く持てる
・ 調査と実験を経て絞り込みがしやすい
という、“創造的かつ効率的なプロジェクト進行”が可能になった。
|4|モックアップと定量調査を経て“最適解〟へ
いくつもの案を試作し、実際の購買者層を対象とした定量調査を実施。結果として選ばれたのは、
・ 鏡のようなメタリックな輝き
・ 月のような静かな存在感
・ 一点だけ輝くスワロフスキーのアクセント
という、氷の冷たさと“夜の艶”を併せ持つ仕上がりだった。これは単に商品を包むパッケージではなく、“手に取る人を語るアクセサリー”としてのデザインだった。