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コロナ禍だからこその企画

新型コロナウィルスが様々なところで影響を及ぼした。働き方が変わり、自粛ムードで休日の過ごし方が変わり、買い物の仕方も変わってきた。様々なところで人々の行動が変わった。変わったというか制限された。
コロナの影響で物の見え方や考え方が変わった今、我々の日々考えている様々な企画にもこれまでと違った今だからこその企画は存在すると思う。弊社での事例に加え、気になった事例を集めて見た。

普通の動画

弊社で担当している観光PR案件の話。「東京からの渡航は自粛して欲しい」というクライアントの要望で予定していたロケが中止になった。
撮影できない中でやれることは無いか?考えたときに過去に撮影した素材を使って、何気ない風景と環境音を編集し3つの動画を制作することにした。
コロナで行動が制限されたいま、せめてsnsを通じてバーチャルでも旅行気分を味わえたらと思って動画を編集した。
動画は、朝/昼/晩の3種制作して配信する日の現地の日没の時間に合わせて、それぞれ配信動画と時間を連動させてライブ配信することにした。

今リビングから見える空と、配信映像の向こうの空色のギャップや異国感。時間という1つの軸で結ぶことでロマンが生まれる動画になったと思う。
旅行に行く予定だった人や、家で悶々としている人、旅行へ行きたくてウズウズしている人、少しでもいろんな人をこの動画で癒せたらなーと思う。
コロナ前では普通の動画だったけど、行動が制限された今だからこそ価値のある動画になったと思う。

そんな、「コロナ禍の今だからこそ」の企画は様々なシーンに潜んでいる可能性があるので、ぜひプランニングする際は10案のうちの1案は「今だから」案を検討していきたいと思う。
(無論、コロナを利用してという発想ではなく、こうゆう状況だからこそという前向きの発想の企画という趣旨で)

そんな「今だからこそ」企画が他にもないか事例をリサーチしまとめてみた。

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THE FIRST TAKE https://www.thefirsttake.jp/

白いスタジオに置かれた一本のマイク。ここでのルールは、ただ一つ。一発撮りのパフォーマンスをすること。(オフィシャルより引用)
素のアーティストが見れて面白い。観客はゼロだけど一発録りという緊張感や貴重性が実にLive感ある。不思議とLiveに行ったような満足感がある。
LIVEがやれない、そして行けない「今だからこそ」の企画だとも言える、これは新しいエンタメとしてもずっとシリーズ化して欲しい。

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Zoom演劇 https://nomeets2020.studio.design/

zoomでの演劇は、コロナ前でも面白かったと思います。グリット状に配置されたそれぞれのスペースで広げられる演劇は制約を上手く生かしてできる表現がおもしろい。
以前は、映像通話で繰り広げられてた川村真司さんのMV SOUR “日々の音色” https://www.youtube.com/watch?v=WfBlUQguvyw が有名ですが、Zoom演劇はコロナだからこそ盛り上がったと思う。
みんなzoomを使い初めてツールでの体験も相まって「今だからこそ」盛り上がる企画だっと思う。オンライン飲み会、オンライン上映会などの、オンライン系はwithコロナの限定プレミア企画だと思う。

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定点観測

定点観測のライブカメラはもともと好きだったが、こんなに関心を持って定期的に見たのはコロナ禍だからだと思う。TVでもよく流れていた渋谷交差点。「あー今日は密ってるー」なんて思ったりした。これまで定点カメラで見る対象は水平線だったり星空だったりしたけど人の流れを見るなんて「今だからこそ」と言える。
THE LIFE CAM PROJECT https://lifecam.world/ は、コロナ後の世界の街の風景の人の流れが集約したサイト。こうやって膨大に集約する事で世界で起きていることのリアルな現実を実感できるサイト。

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バーチャルライドZwift https://zwift.com/ja?gclid=EAIaIQobChMIhcC-5KmC7AIVz9aWCh047QnlEAAYASAAEgIEtvD_BwE

Zwiftとは自転車の室内トレーニングのサービス。世界中の参加者が仮想世界の中でトレーニングしたり競争したりすることができる。自転車に設置した装置を作動させ仮想空間で坂などで走る際は装置が自転車に負荷をかけて実際にペダルが重くなる。
外でのライドの体感を室内でも体験できる。コロナ期での室内でできるバーチャルフィットネスは様々なジャンルも大幅にユーザーを伸ばしたと思うけどこのZwiftの発展は凄まじかった。
1億2,000万ドルの資金調達も達成し、Zwift Academyからはプロチームと契約したユーザーも出てきた。そしてツールドフランスもZwift内で開催された。
外でライドで集まって密に走行できない(世間体もあって)、「今だからこそ」盛り上がりの見せたサービスともいえる。

「今だからこそ」の法則

・Liveができない行けない「今だからこそ」新しいエンターテイメントとして話題になったTHE FIRST TAKE。

・劇場に集まれない公演できない「今だからこそ」盛り上がりをみせたZoom演劇。

・自粛期間の人の動きが気になる「今だからこそ」何回も見た定点観測。

・外で集まってライドができな「今だからこそ」新しいスポーツとして定着したZwift。

THE FIRST TAKE、定点観測、Zwiftなんかはコロナ前から存在するがコロナ渦によって助長され大きな盛り上がりをみせた。Zoom演劇なんかはコロナの状況が産んだ企画。

コロナ前からコロナ禍の過程で「できなくなった」を洗い出した上で、今だからこそ「できる事や、やれる事」を洗い出せばそこに良いプランが潜んでいる可能性がる。
それは目新しくなくても、今だからこそ目新しい物へ変わるかもしれない可能性があると私は思います。

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