なぜ日本企業は中国進出に失敗するのか?
2002年、東京・外苑前のマンションの一室で立ち上げたホノルル・インク(2015年にGrand Designに社名変更)は、日本のデザイン界に閉塞感を感じ、自分たちのさらなる挑戦・成長できる場を求めて、2008年にGrand Design Shanghai、2015年にGrand Design Hongkongを立ち上げました。
あれから12年、日本の多くのクリエイティブ・ブティックや映像制作会社、建築設計会社が中国に進出し、撤退していく中で、私たちが12年間もやって来れているのは『日本のやり方を一度捨てて、環境に合わせた再構築に成功している』からだと考えています。
たった12年の成果で大きなことを言うのも気が引けますが、この『日本のやり方を一度捨て、再構築する』というのは実は我々クリエイティブだけに言えることではなく、僕らがお手伝いするあらゆる業種に言えることではないかと考えています。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、濱口 秀司さんの『モノに対する態度の違い』という4象限があります。一応説明しておくと、縦軸に『more is better』『less is better』、横軸に『A or B=decide』『A and B=Balance』とします。こうしたときアメリカの価値観は『右上』ヨーロッパは『右下』に属します。それに対し中国は『左上』にあり、日本は『左下』にくるというモノです。この整理は非常に秀逸です。
我々はヨーロッパの国々と『less is more』という価値観では共感できますが、決めろと言われてもなかなか決められません。一方僕らは中国人と物事のバランスをとるという点では共感しあえても、もっと沢山欲しいという考えには共感できません。この図の中で斜め対抗軸にある国の関係はポジティブに働けば『ミステリアスな魅力』、ネガティブに働けば『断絶』を起こす関係です。
日本の持つ価値観や美意識は大事です。同様にこれはアメリカやヨーロッパにも言えることで、その点においては何の疑いもないことです。しかし世界の中心がアジアに移動しつつあるいま、日本だけの視点を捨てて中国を含む『アジア』という括りを価値観的に『欧米』の対抗軸に意識することは意味のあることではないか?
そもそも日本人は、決定ができない代わりに様々なバランスを取ることに長けています。その能力を発揮せず、中国に対し日本の『less is more』の価値観を押し付けていくと関係は成立しません。どちらの価値観にいい悪いはありません。これはよく言われる『現地化』ではなく、『グローバル化』であると考えるべきです。失敗した企業は『ローカル化』に失敗したのではなりません、『グローバル化』に失敗しているのです。
欧米諸国は『less is more』の価値観においてグローバル化を達成して長い歴史を歩んでいます。価値観において日本は欧米諸国の仲間ではありません。我々は『Balance(和)』を尊しとするアジアの一員です。
我々はアジアでの仕事から得た知見を足掛かりに
『デザイン』でこの世界を面白くしていきます。
CLIENTS
AWARDS
- 2022
- Pentawards / Platinum
GOOD DESIGN AWARD / Package Design - 2021
- German Design Award / Package Design , CM
Red Dot Design Award / Package
Pentawards / Bronze
GOOD DESIGN AWARD / CI VI Branding
- 2020
- Red Dot Design Award / Package Design , CM
Pentawards / Finalist
- 2017
- Pentawards / Silver
- 2015
- 55th ACC/ Finalist , 68th Dentsu Advertising Awards / Excellence Prize
- 2014
- Pentawards / Bronze
- 2013
- Pentawards / Bronze
- 2009
- Package design Awards of JAPAN / Excellence Prize
- 2007
- Tokyo Art Directors Club / Finalist
- 2006
- 84th Art Directors Club (New York) / Finalist
- 2005
- Yomiuri Advertising Awards / Bronze
- 2004
- 82nd Art Directors Club (New York) Distinctive Award
Nikkei Advertising Award / Silver
- 2003
- 81st Art Directors Club (New York) / Finalist
The Midsummer Award / Finalist (by commercial film)
- 2002
- 80th Art Directors Club (New York) / Finalist
Tokyo Art Directors Club / Finalist
Tokyo Typo Directors Club / Finalist
- 2001
- 79th Art Directors Club (New York) GOLD / Distinctive Award
Tokyo Art Directors Club / Finalist