re:me

PACKAGE

中国でNo1になれる健康補助飲料を作りたい。
競合ひしめく市場でどう戦うか?

RE:MEの依頼は2015~6年あたり、総経理直々の来社で始まった。彼らはRIOの成功を知っていて我々の会社を訪ねてきてくれた。中国は急激な経済成長を経て、都市部では仕事によるストレスが社会問題化を始めていたことを背景に、ノンアルコール市場は徐々に『健康補助飲料』への傾斜が始まっていていた。それまで輸入系の健康補助飲料といえば乳製品が主流で、飲むタイプのヨーグルトはとても甘く、健康補助というよりむしろデザートの一種として存在していた。一方、漢方系では中国のコーラとも言える存在・王老吉を始め多くの飲料がひしめき合っていた。

CREATIVE IDEA

RE:MEの主要な成分は中国にある『山桃』である。その点では多少漢方系飲料にも受け取れるし、フルーツ系のデザート飲料にも思える。しかも競合のカテゴリーにはそもそも『ヨーグルト』がある。その時まだ中国のヨーグルトはデザート的であったが、将来的には日本のように機能的に発展する可能性が残っている。しかしクライアントはこの西欧的で機能的なカテゴリーリーダーに拘った。それは当然だ。漢方系飲料もデザート飲料も既にレッドオーシャンである。我々の仕事はこの商品のネーミングから始まった。様々な方向性を検討した結果、中国の新しい社会背景を軸に、自分をリセットするニュアンスを感じられる『RE:ME』で決定し商標登録を取った。

DESIGN SOLUTION

『RE:ME』のデザインは『西欧的で機能的』であったほうがいい。ひと目見て『機能性』を感じられるデザイン。そして中身が見えているデザイン。様々なトライアンドエラーを繰り返していく中で、見つけたのは『薬のカプセル』モチーフ。これなら中国だけでなく世界中で機能を訴求できる。我々はローカルでしか通用しないものにデザインの軸を置かないように気を付けている。そのおかげか『RE:ME』のデザインは発売後、パッケージデザインのグローバルアワード『Pent Awards』でシルバーを獲得した。これはグランドデザイン史上、始めて中国人と日本人の合作が賞を取ったこともあり、特別に嬉しかった。一方、この商品は『RIO』のような成功を収めることはできなかった。我々の反省として、本来4象限の右に属しそうな商品を、ネーミングとデザインで左下に持っていこうとしたものの、消費者はそのようには受け取ってくれていないということか。そしてこの後、このジャンルはヨーグルトドリンクの激戦区になり『RE:ME』の存在感低下に拍車がかかったのかもしれない。

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