沖縄 たけとみ 島時間

BRANDING, DIGITAL

ポータルサイト「沖縄 たけとみ 島時間」は9つの有人島とその周辺の無人島からなる竹富町の観光ポータルサイトです。グランドデザインは、竹富町より本プロジェクトの委託を受けた楽天株式会社からの再委託を受け、プロジェクトに従事しています。サイトの方向性を調査する段階から携わり、各島の方向性を示すコピー開発、撮影、宿泊経験者のインタビュー編集ライティング、そしてwebサイトの構築とアートディレクションを総合的に担当しました。

CREATIVE IDEA

[課題]→調査→載せるべき情報の抽出
現状の課題として竹富町から以下のことを挙げられていた。
「日帰り観光がメインの消費型観光から脱却し、滞在型観光を促進すること」
観光地として有名な石垣島に隣接する竹富町は、観光の大半が日帰りで占める状況になっていた。石垣島で宿泊し、昼間の日帰り観光として島々は定着していた。昼間は観光客が押し寄せるが夕方には人々が去る。滞在時間が限られてくると観光産業としても先細りする状況になりつつあった。

課題→[調査]→載せるべき情報の抽出
まず最初に、なぜ宿泊につながらないのか?宿泊につながる動機は何か?を調査するために、島々に宿泊経験のあるユーザーと、日帰り観光の経験のあるユーザーを集めてグループインタビューを実施した。グランドからはwebサイト企画とコンテンツのデザイン複数案を提出して定性調査を行った。

インタビューから上がったの声
「石垣島の観光の1つとして竹富町の島々回遊があったので島々に出会えた。石垣に行くまでどういった島々があるのかわからなかった。」
「個人のブログやsnsを通じて竹富町の島々や素晴らしさは知っていたけど1つのサイトに情報が集まっているサイトがないので強い動機がないと細かく島の事を知る事ができない。」
「家族旅行の場合、宿泊するしないは、どういった宿泊所があって設備環境のこと、飲食店があるか、観光スポットが充実しているかまで調べて行くので情報が揃わないと行かない。」
「宿泊体験のブログが一番参考になる。情報も大事だけど観光でどのような気持ちになったか?どういった経験やハプニングもあったか?具体的な生の声が参考になる。」

インタビューを受け、楽天の考察
竹富町の島々を愛し宿泊する「ラバー」は確かにおり、彼らは石垣島では物足りず、竹富町の島々にある本当の「非日常」を求め、宿泊するに至っている。(観光地化し、観光客が増えることは望んでいない)
上記の「ラバー」たちの目的も様々で、好みの島/滞在スタイルも多岐に渡っており、6島それぞれに違ったラバーがいる。また、それぞれに違ったストーリーを持っている。
6島違う魅力があるが、それらの大多数は自然に起因するものである。
一方石垣島に宿泊し、竹富町の島々を日帰りで楽しむ層は、その便利さから抜けきることや、リスクを負ってまで宿泊するに至るには、ハードルが高いと考えられる。
他方、離島旅行に慣れている層は、民宿意向の高さ・無いことをポジティブに捉える思考など、竹富町の島々への宿泊旅行に対し、ポテンシャルのある層であると考えられる。
全国の離島旅行を複数回行っているが、竹富町の島々への旅行経験が無い層は、適切な情報を入手できていないことや、ある一定の偏ったイメージにより、訪問を躊躇しているパターンがある。
例)民宿という言葉のイメージ、南の島=リゾートというイメージ

課題→調査→[載せるべき情報の抽出]
調査で出てきた声を整理し、下記の方向性を決めた。

①伝えるべき情報
・島々の個性が全然違うことをきっちりと打ち出す(6島それぞれに違ったラバーへ向けた )
・自分事化できるストーリーつきの体験談
・良くでも悪くでもなく、「リアル」な宿泊施設や交通、食事の情報や写真
・夜、朝のすごし方、魅力(ボリュームをもって)
⇒これらの情報は、検索したらページは出てくるが、現状では網羅的にまとまっているページはない。わかりやすく、まとまっていることが望ましい。

②伝えるべき対象=離島嗜好のある方
・民宿やペンションなどの宿泊施設に泊まれる方(好きな方)
・休暇方(⇔旅行方)マインドの方(旅行に多くの「やる事」もとめるのではなく、心身のリフレッシュを第一と考える方)

「離島旅行嗜好層」に届く、各島々のそれぞれの宿泊旅行のストーリー付き体験談及び、各島々の風景や宿泊施設の写真を豊富にそろえたページの作成し、宿泊見込み層にピンポイントに届け、滞在型観光を促進す事を目標に制作をスタートさせました。

DESIGN SOLUTION

宿泊施設がある6つの島のコピー開発

島々の個性を打ち出しながら、各島のユーザーへむけてコピーを制作。6島をコピーライター石松氏とリサーチして各島の個性を抽出し、各島のユーザー(ペルソナ)を設定しコピーを開発した。

コンテンツ「島時間レポ」のインタビューと編集

竹富町の島々への観光は石垣宿泊の日帰り観光が主です。そんな希少な宿泊の体験者を探しインタビューまで行うのは極めて困難である。有名リゾートホテルのある竹富島、西表島、小浜島は宿泊体験者は多いが、それ以外の3島は離島ラバーこそ集う秘境の地。
各島の宿泊体験者を1箇所に集めるのは本来困難ではあるが楽天のリサーチ会社の協力のもとアンケートを登録会員へ向けて実施した。アンケート内の体験コメントの中からインタビューするユーザーを決めて実施した。(10万人のモニター会員の中からセグメントし各島3人×6島 計18人をインタビュー掲載した)
インタビュアーは沖縄の地元紙と大手ニュースサイトへ記事やコラムを執筆している輿那覇氏に依頼した。竹富町に造詣が深く、ユーザーからストーリーを引き出す能力が高い記者の経験を持つ輿那覇さんを起用した。

ミニマムな人数で撮りきった新しい撮影のあり方

「沖縄 たけとみ 島時間」は、Topページに宿泊しないと見ることができない、6島の朝日や夕陽のタイムラプスを入り口にしています。タイムラプスは1カット撮るのに最低でも3時間、星空だと6時間は必要である。加えて、サイト各島のファーストビューには朝・昼・夜の島時間の流れをまとめた動画を設置している。普通なら1島2日で12日は天予備なしでも必要な撮影ボリュームですが、実際はロケ日数を7日間で撮り切った。
ロケハン無しでも綿密な島のリサーチをweb上で行えたこと。カメラマン山崎氏、プロデューサー備瀬氏の2人は映像のプロダクション時代の長い経験があるので、ロケや進行のノウハウのスキルが高くミニマムな人数で、且つ複雑な立地条件でも効率的な撮影が実現できた。
これまでの映像制作の現場においてもスタッフの数、撮影の撮れ数、映像の品質どれをとってもこれからの撮影の在り方を示す新たな経験となった。

セキュリティーの高いCMSの構築

「沖縄 たけとみ 島時間」は町の担当者が高い頻度で島の日常を発信する「島時間トピックス」というコンテンツがありCMSを組み込んでいます。情報セキュリティが厳しい自治体案件なので脆弱性の心配があるCMSは使わず、セキュリティーのつよいCraft CMSを採用しています。現時点では国内でのCraft CMSの構築実績は珍しく、インフラの整備からコードグラフ社と共創しました。

https://craftcms.com/

RESULTS

雑誌「島へ」の雑誌広告

Credit

What:
Branding , Web , Movie , Admagazine

When:
2019 / 2020

Who:
Creative Direction / Art Direction / Graphic Design
Yu Yamanoha

Client:
竹富町

Agent:
Rakuten

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