Overview
TechMagicのコーポレートサイト刷新は、会社紹介ではなく「未来の証明」として機能する設計に挑んだ。理念や組織よりも“プロダクト”と“未来”を中心に据え、3DCGを駆使して短納期で高品質な表現を実現。ステークホルダーごとの視点も整理し、上場を見据えた信頼性と勢いを備えたブランドサイトとして、スタートアップの成長曲線を可視化した。
TechMagic株式会社は、テクノロジーによる持続可能な食インフラの創造を目指して2018年に設立されたスタートアップ企業。創業からわずか数年で資金調達を成功させ、パスタ自動調理ロボット「P-Robo」、惣菜盛り付けロボット「M-Robo」、食器仕分けロボット「D-Robo(finibo)」といった業界注目のプロダクトを次々と発表している。そんな彼らから届いた依頼は、次のようなものであった:「上場を見据え、今のフェーズにふさわしい、プロダクトと未来を伝えるブランドサイトに刷新したい」
従来型のコーポレートサイトでは、「会社概要」「ミッション」「採用」などが構造の中心となる。しかし、TechMagicが訴えるべきは理念や組織ではなく、“今ここにある成果”と“これから世に出る未来”であると私たちは判断した。そのため、サイトの主軸を以下の2つに再構成:
・ リリース済・予定の製品を紹介する「成果物ページ」
・ 業界全体の仕組みを変えていく「業態開発ページ」
会社情報はあえてトップから外し、フッターやメニューに格納する“非中心設計”を採用。“企業の顔”ではなく“未来の実体”を見せる、スタートアップにふさわしい構成を実現した。
プロジェクト開始から公開までの期間は限られていたが、プロダクトビジュアルには一切の妥協を許さなかった。そこで活用したのが、社内によるBlender制作による3DCGアニメーション。
・ スピーディな反復検証
・ 実機のない段階でも説得力ある表現
・ ブランド感と機能性の両立
これにより、短納期でも高品質なビジュアルコミュニケーションを実現。“ロボットを作る会社”の精密性とスピード感を、そのまま演出に反映した。
初期フェーズでは、TechMagic社内の各部門のステークホルダーを洗い出し、
・ 経営視点(上場・投資)
・ 商品視点(顧客・事業開発)
・ 採用視点(エンジニア・業界内評価)
という3軸における期待値を抽出。その上で、全体の構成案を企業としての発信ストーリーに統合した。“プロダクトが語る企業姿勢”を、言葉と構造の両面からデザインしたプロジェクトである。
このリニューアルは、単なるWeb更新ではない。“スタートアップ企業が社会に示すべき成長曲線”を、構造と言語で描いたブランディングプロジェクトだった。
・ プロダクトを主語にする構造
・ スピードと正確性を両立したビジュアル演出
・ 上場を見据えた信頼性と勢いの表現
TechMagicという企業の未来を、触れた瞬間に信じられる構造と体験に落とし込んだ設計である。
Date | 2022 |
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Industry | Retail |
Location | Grobal |
URL | techmagic.co.jp |
Grand design
Outsorcing