Overview
DAISOは“安くてなんでも揃う”ワンコインショップとして成長してきた一方、「使い捨て前提」「品質に不安」といった課題にも直面していた。そこで私たちは、価格以上の価値を提供する新ブランド「Standard Products」の立ち上げを提案。シンプルで普遍的なデザイン、高品質な素材、モジュール設計を採用し、300〜1,000円の価格帯でロングユース可能な商品を展開した。環境配慮や地域産業との連携にも取り組み、“暮らしの質”を支える日用品として再定義。こうしたブランド設計が共感を集め、「Standard Products」は立ち上げからわずか4年で、日本を含む世界に200店舗を展開。DAISOの顧客基盤を活かしつつ、新たなスタンダードとして市場に定着している。
ワンコインショップの代名詞ともいえるDAISOは、これまで“低価格で買える日用品”という新たな消費のスタンダードをつくり、私たちの暮らしに大きな恩恵をもたらしてきた。
しかしその一方で、「やっぱり、長く使えるものではない」「安いがゆえに、使い捨て前提」といった声も多く聞かれるようになっていた。“安さ”と“なんでも揃う”の追求が、日用品に本来求められるべき「品質」「普遍性」「持続性」といった価値を後退させていたのである。
この状況は、DAISOにとっても決して簡単な問題ではなかった。低価格戦略で成長を遂げたがゆえに、「価格以上の価値」を求める生活者の声にどう応えるべきかという根本的な問いが突きつけられていた。その問いに真正面から向き合い、新たな価値の提供に挑戦するために私たちが提案したのが、「Standard Products」である。
ワンコインショップは、日用品のコストを抑えるという点で私たちの暮らしに大きく貢献してきた。しかし、価格を抑えるあまり、品質・耐久性・普遍性といった、本来日用品に必要な価値が犠牲になるケースも生まれていた。
この課題に対し、DAISOがこれまで蓄積してきた膨大な商品開発の知見をもとに、「飽きがこない」「使いやすい」「高品質な素材」を重視した新ブランドを立ち上げることを提案。それが Standard Products である。このブランドは、ワンコイン価格帯を維持しつつも「ロングユース」できる商品づくりに注力し、シンプルでベーシック、かつ環境配慮型の製品群を展開する。また日本の地域に根ざす産業の製品開拓にも力を入れることで、「単なる日用品でない価値を」生み出すことに注力している。
DAISOが扱う膨大な商品ラインナップとは異なり、Standard Productsでは「生活に本当に必要なもの」のみに絞って商品開発を実施。過度な装飾や配色は排除し、老若男女すべての生活に自然に溶け込むプロダクトを目指した。
Standard Products の商品設計は、以下の4点を核に構成されている:
・ 飽きのこないオーソドックスなデザイン
・ コーディネートしやすいカラーバリエーション
・ 全商品がフィットする独自モジュール設計
・ 300〜1,000円の価格帯で最大限の素材品質を追求
これにより、単なる「安さ」ではなく、暮らしの質を支える商品ラインナップが完成した。
DAISOが長年培ってきた既存顧客とのエンゲージメントをそのままに、新たなブランド構造を設計。ブランド名「Standard Products」には、どんな人の暮らしにも自然にフィットする「生活の標準」という意味が込められている。
ビジュアル面ではブランドを過剰に主張せず、あくまでお客様の「いつもの生活シーン」の中に溶け込むことを意識。店舗デザインも、グレーと木目を基調に商品が主役となるよう工夫されている。これにより、整然と商品が並ぶ従来のDAISO店とは一線を画し、より洗練された世界観の構築に成功した。
2021年3月のオープン以降、Standard Productsは多数のTV・雑誌メディアに取り上げられ、SNSやWEBでも話題に。シンプルで普遍的な価値を再定義するこのブランドは、急速に広く認知され、生活者からの共感を獲得し、2025年には日本を含む世界で200店舗に到達している。
Date | 2021.3.21 |
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Industry | Retail |
Location | Global |
URL | standardproducts.jp |
01 | Branding Design |
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02 | Product development |
03 | Advertising, Packaging, Products design |
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