Overview
創立100周年を迎えた武蔵野学院大学は、教育理念と精神性を象徴する新たな校章(ロゴ)を制定。グランドデザインは、ロゴ設計から各種ツール制作までを担当した。中心モチーフの「門(GATE)」は、入学から卒業までの成長を象徴し、重なり合う形状は多様性と共生を表現。頭文字「M」を冠(CROWN)に見立て、誇りと伝統を内包させた。知性と品位を備えた静謐なデザインで、「人格を育む教育の場」としての大学像を可視化した。
2012年、学校法人武蔵野学院は創立100周年を迎え、これを機に大学としての姿勢と理念を改めて象徴する新たな校章(ロゴマーク)の制定に踏み切った。このプロジェクトにおいて、グランドデザインはロゴデザインから各種ツール類まで一貫して担当し、大学の精神性と未来への意思を形にする役割を担った。
ロゴ開発の前提となったのは、単なる図像や装飾ではなく、武蔵野学院大学の哲学や教育的価値を「見える形」にすることだった。
そのために策定されたブランドコンセプトは以下の4点に要約される:
・GATE(門):入学から卒業まで、学生の学びと成長を支える象徴としての「門」
・他者理解と絆:形の重なりで表現される、多様性と共生の精神
・CROWN(冠):武蔵野学院の頭文字「M」に重ねられた誇りと伝統
・品位:知性と深みを内包した、知の場としての品格の表現
これらはすべて、大学が単なる知識の場にとどまらず、「人格を育む場所」であるという思想を内包している。
校章の中心となる「門(GATE)」のモチーフは、学生が入学し、学び、成長し、卒業していく一連の通過儀礼を象徴している。東洋思想における「関所」や「道場の門」のように、このGATEは単なる通過点ではなく、「通ることで人が変わる場」=教育の力を象徴するものとして設計された。
ロゴの線や形の重なりは、**多様な価値観を持つ者たちが交わり、共に学ぶ「学びの共同体」**の構造を表している。これは「和して同ぜず」「相互依存」を重んじる東洋的な人間観とも共鳴しており、個の尊重と共感の重なりが“絆”を生むという教育理念がビジュアル化されている。
シンボル全体の構造には、武蔵野学院の頭文字「M」が隠されており、その形状は王冠(CROWN)を想起させるよう設計されている。これは、学びを経て得られる知識と人格が学生自身の「誇り」となるという意図を持つ。誇示ではなく、内に湛えられた「品位ある誇り」を表現している。
ロゴ全体は、華美さや派手さを排した、静謐で知的な佇まいを保っている。これは教育における「表に出すこと」よりも、「内に深めること」を重視する東洋的な知の態度
Date | 2016 , 2017 |
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Industry | Retail |
Location | Japan |
Grand design