Projects

Overview

「甘くないスターバックス」を体験として届ける本プロモーションは、コンビニ専用商品「New York Nonsweet Latte」の登場に合わせて実施された。専用冷蔵ベンダーがオフィスを訪問する“旅するサンプリング”を軸に、SNS拡散を誘発する驚きと喜びの演出、ブランドイメージを守るデザイン設計、さらにプレゼントキャンペーンによる二次展開まで、体験・話題・拡散を一体化させた戦略により、「甘くないこと」と「スタバらしさ」の共存を実現した。

Creative idea

「会社にスタバなう」──スターバックスの世界観をそのまま届けるには?

甘くないカフェラテ。オフィスの午後に、気取らず、それでいて少し嬉しいひと息。そんなニーズを捉えて登場したのが、スターバックス × サントリー共同開発によるコンビニ専用商品「New York Nonsweet Latte」だった。本プロジェクトの課題は明確だった:

・「コンビニ商品であること」
・「甘くないこと」
・「スターバックスであること」

この3つの価値をどうやって“体験”として伝えるか?

|1| 商品性を体験に落とし込む──ベンダーによる旅するサンプリング

キャンペーンの核となったのは、「旅する冷蔵ベンダー」という体験装置。スターバックスの世界観を体現する専用デザインの冷蔵ベンダーを製作し、 「ソフトバンク」「 カルチュア・コンビニエンス・クラブ」など、感度の高い有名企業の社員食堂に出張して商品を無料サンプリング。「New York Nonsweet Latte」を“オフィスで体験するスターバックス”として直感的に伝える設計がなされた。

|2| SNSで共感と話題を生む“ちょっとした非日常〟の演出

冷蔵ベンダーによるオフィス訪問は、サンプリングだけにとどまらない。特設Webサイトでその様子をレポートし、同時にSNSでは以下のような投稿が多く寄せられた:

・「会社にスタバなう」
・「やば!うちのオフィスにスタバ来た」

この“少しの驚き”と“嬉しさ”がSNS拡散を促進し、「甘くないスタバ、飲んでみたい」という共感と好奇心を自然に生む構造が実現された。

|3| ブランドらしさを損なわないデザイン・空間設計

スターバックスのプロモーションで最も注意したのは、ブランドイメージの一貫性。

・ ベンダーのデザインは、パッケージデザインと連動
・ 都市型・洗練・無駄のないカラー設計
・ 訪問先の社員食堂はおしゃれな空間に限定して選定し、WebやSNSでの写真映えにも配慮

全体として、「コンビニ商品でありながら、スターバックスの世界観に浸れる体験」を実現した。

|4| オフィス体験から広がる二次展開──プレゼントキャンペーン

訪問型のサンプリングと同時に、「抽選であなたのオフィスに冷蔵ベンダーがやってくる」という応募キャンペーンも展開。当選した企業には商品とベンダーが届けられ、サンプリングの場がSNSコンテンツとして二次拡散されていく設計となっていた。これにより、短期間ながらもスターバックスがオフィス空間に“出現する”現象を作り出すことに成功した。

| まとめ | “甘くない”という特性を、ブランドらしく伝える方法

本キャンペーンは、単なる販促施策ではない。「甘くないスターバックス」=洗練された、大人のカフェラテというブランドメッセージを、体験を通じて感覚的に浸透させる試みだった。
限られた空間にスターバックスの世界観を持ち込み、

・ デザイン
・ 話題性
・ SNS拡散
・ サンプリング

を連動させた結果、商品特性とブランド性の両立に成功したプロジェクトとなった。

About

Date 2014
Industry Retail
Location Global

Information

Grand design

Takafumi Tsujino
Creative Director
Kazuyuki Takeda
Art Director / Designer