Projects

Overview

絶滅危惧種であるうなぎの現状を広く伝え、代替食品への行動変容を促す啓蒙型教育コンテンツLP「Do you know 土用の丑の日?」を制作。クイズ形式の構成や可愛いキャラクター、涼しげなビジュアルで“楽しく学べる”設計に。さらに代替商品の購入がうなぎの放流支援につながる導線を用意し、学びと社会貢献を両立。Oisixとの連携により、CSR活動とブランドのサステナブルイメージも強化。啓発・購買・支援を一体化した新しいLPモデルとなった。

Creative idea

「知らないまま消費していませんか?」──うなぎの絶滅危機に立ち向かうために

日本の夏の風物詩「土用の丑の日」。しかしその主役である“うなぎ”は、現在絶滅危惧種に指定されている。その理由のひとつが、いまだに完全養殖が確立されておらず、天然資源への依存が続いていること。にもかかわらず、毎年季節行事として大量消費され続けている現実がある。

このプロジェクトでは、「うなぎの現状を知ってもらい、共感を得たうえで“代替食品”という行動変容につなげる」ことを目的に、**啓蒙型の教育コンテンツLP(ランディングページ)**を制作。楽しく、やさしく、伝わる工夫をちりばめながら、サステナブルな食の選択を促すサイト設計を目指した。

|1| 言葉で引き込む:「土用の丑の日」×「Do you know?」の仕掛け

サイトのタイトルは、《Do you know 土用の丑の日?》。これは、「土用の丑の日」と英語の「Do you know?」をかけ合わせた、親しみと問いかけを両立した仕掛け。夏の風物詩として認知されている「土用の丑の日」。しかしその由来や背景を知っている人は意外と少ない。この言葉の組み合わせは、身近なテーマに“考えるきっかけ”を添えるフックとして設計されている。

|2| 知識と感情に訴えるストーリーデザイン

コンテンツは、以下の3段構成で展開された:

・ うなぎがなぜ絶滅危惧種なのか?
・ 土用の丑の日に食べることが“問題”なのか?
・ どうすれば“未来のうなぎ”を守れるのか?

情報は全てクイズ形式で構成されており、ユーザーが「答える」ことで学ぶ構造になっている。また、うなぎの現状を伝えるだけでなく、「あなたの選択で未来が変えられる」というポジティブな希望で締めくくることで、啓蒙ではなく共感と参加を促す導線を確保した。

|3| “可愛く、たのしく、でも本質的に”伝えるビジュアル設計

うなぎというと地味なイメージになりがちだが、サイトでは

・ 親しみやすい可愛いキャラクターうなぎのイラスト
・ 全体に軽やかで涼しげな配色
・ 難しい話もやさしく見せる柔らかなUI構成

などを用い、学びと遊びの融合を図った。その上で、情報の信頼性やデータの裏付けも丁寧に配置し、「かわいいだけじゃない」説得力も担保している。

|4| 代替商品購入→放流支援までをつなぐ社会貢献の導線設計

このLPは単なる啓発で終わらず、行動変容=購入による支援参加を促す構造になっている。具体的には、

・ うなぎの代替食品(大豆やナス、魚を用いた製品)を紹介
・ 購入するとその一部が“うなぎの放流支援”に寄付される仕組みを明示
・ ユーザーが“楽しく学んで、気軽に選ぶ”ことでエコアクションになる構造

これにより、CSR活動と消費者行動を一体化させたキャンペーン設計が実現されている。

|5| Oisixと連携したブランド整合性とプロモーション展開

プランニングはOisixが担当。サイトの文脈と商品ラインナップを一貫させ

・ CSR活動としての企業姿勢を明確化
・ ブランド全体の“サステナブルフードリーダー”としての印象を強化

その上で、私たちはユーザーが迷わず、興味を持ち、行動につなげられるようLPとしての導線設計・構成・デザイン全般を担い、スマホでも快適に閲覧・購入できるレスポンシブ対応も実装した。

| まとめ | サステナブルを「楽しく続ける」入り口をつくる

このLPプロジェクトは、「環境問題」と「食の楽しみ」を両立させるための啓蒙+購買+支援という三層構造を、
やさしく、楽しく、でも本質的に伝える挑戦だった。うなぎを守ることは、ただ我慢することではない。「選び方」を知れば、「守り方」も変えられる。その入り口として、エンターテインメント性と社会性をかけあわせたこの教育型LPは、ひとつの新しいモデルとなった。

About

Date 2019
Industry Retail
Location Japan

Information

Grand design

Takafumi Tsujino
Creative Director / Designer
Toshiya Utsumi
Art Director / Designer
Yu Yamanoha
Art Director / Designer
Natsuko Aoki
Graphic Designer
Kano Kameda
Graphic Designer