Projects

Overview

健康食品やダイエット食品の製造・販売から始まったRIZAPグループ。「結果にコミットする」をキャッチフレーズに2-3カ月で大幅な体重減と体型改善を目指すパーソナル・トレーニングジム「RIZAP」事業の急成長と、美容や健康、アパレル、英語やゴルフなど多分野への積極的なM&Aにより事業規模を急拡大させてきた。今こそ経営理念を浸透させる必要に迫られていた。爆発的に増える社員に、浸透させるインナーブランディングとはなにか。

Creative idea

拡大の先に問われた、“RIZAPとは何か〟

健康食品からスタートし、2〜3ヶ月で結果を出すパーソナルトレーニング「RIZAP」が社会現象となる中、美容・健康・アパレル・教育・スポーツなど多分野に積極的にM&Aを仕掛け、急成長を遂げたRIZAPグループ。だが、急激な拡大の裏では、社員の数が爆発的に増え、企業理念の浸透が追いつかないというインナーブランディング上の課題が顕在化していた。

ブランドの拡張に比例して社内に必要とされたのは、「RIZAPとは何か」を内側から言葉にできる組織である。
この危機に対し、私たちは提案した。「ゲストの自己実現を支援するために、まず“あなた自身が変わること”が求められているのではないか」と。

|1| ブランドとは“変化の体験”である

RIZAPを支えているのは、スペックや価格、サービス内容ではない。それは「人は変われる」という確信と、それを支える変化のプロセスを“体験”として提供する構造である。だからこそ、インナーブランディングにおいても、理念やルールの「伝達」ではなく、社員自身が変化を体感し、内面化できる仕組みが必要だった。

|2|「あなた自身から変わろう」──視点の転換という提案

私たちが提案したのは、理念の核心にあるメッセージの転換だった。「人は変われる。ゲストの自己実現のために、まず、あなた自身が変わろう。」これは外向きのスローガンではなく、社員自身の変革を促す“内側への問い”であり、仕事の意味を根本から捉え直す視座だった。この言葉は、RIZAPの本質を端的に言い表すとともに、社員に“変化の当事者”としての覚悟を求めるメッセージとなった。

|3| ブランドブックという“覚悟の装置”

この哲学を社内に浸透させるために制作されたのが、全社員に配布するブランドブックである。表層的な理念紹介ではなく、

・RIZAPの原点
・変化の物語
・ブランド名に込めた意味
・実践してきた社員の声

などを通して、読む者に“あなたの仕事は何のためか”を問いかける設計とした。ブランドブックは、RIZAPで働くことの「理由」を再確認させる媒体となった。

|4|「RISE UP」の象徴を、自然の現象で捉える

ブランド名「RIZAP」は、“RISE UP”=夜明け/立ち上がる、という意味を込めて名付けられている。この名の本質を視覚的に表現するため、私たちは沖縄・黒島にて、日の出を捉える深夜の撮影を敢行。この映像は、

・「変わる」という希望
・ 闇から光への移行
・ 静かだが確かな決意

を象徴し、ブランドに込めた意思を、言葉以上の説得力で伝えるビジュアルメッセージとなった。

|5| 急成長企業だからこそ、「思想」の可視化が必要だった

社員数が急増する中で、理念の統一は組織の成長における“軸”となる。このプロジェクトでは、RIZAPというブランドの核を掘り起こし、それを社員一人ひとりに向けて届けるための思想の翻訳と実装を行った。理念は掲げるものではなく、語られ、体験され、日々の行動に反映されるものである。それを、社員自身が“変わること”を通じて体現する──。その思想こそ、私たちがこのプロジェクトを通じて提案したインナーブランディングの本質である。

About

Date 2018
Industry Healthcare
Location Japan

Information

Grand design

Katsunori Nishi
Creative Director
Jun Fujiwara
Creative Director
Yuu Yamanoha
Art Director
Eriko Tanii
Graphic Designer