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Overview

宣伝会議が主催するマーケティング&クリエイティブイベント(SUMMIT/SIMC/アドタイデイズ)は、年に4回開催されている。今も企業のCMO、ブランドマネージャー、事業責任者や宣伝部長を中心に、約5000名規模が来場するイベントであるが、昨今ではWebメディアを中心にマーケティング語る企業が増えてきており、老舗である宣伝会議イベントの『存在価値』が問われだした。また同時に、数多くイベントが開催される今日においては、ニーズに応え増えてきた宣伝会議主催のイベントの一貫性も重要な課題としてあった。

Creative idea

「老舗」ゆえの岐路——いま、宣伝会議イベントの“存在価値〟を問う

宣伝会議が主催するマーケティング&クリエイティブイベント(SUMMIT/SIMC/アドタイデイズ)は、かつて業界を牽引してきた“旗艦的存在”だった。年4回、計5,000名以上の来場者を集め、CMOや宣伝部長、事業責任者たちが直接学び、交流するリアルな場として重宝されてきた。

しかし2020年代に入り、Webメディアやオンライン主導のマーケティングイベントが台頭。スピード・柔軟性・速報性を武器にした競合が次々に現れた今、宣伝会議のイベントは“何を果たすべきか”
多様化したフォーマットのなかで“どう一貫性を持たせるか”という問いに、明確に答え直す必要があった。

|1|「他社とどう違うか」ではなく、「自分たちは何を果たすか」

他のメディアやイベントと差別化するために、安易にトレンドを追うのではなく、宣伝会議らしさとは何かに立ち戻る必要があった。その答えが「Marketing × Creative」である。これは単なる掛け算ではなく、『ナショナルクライアントとクリエイター、両者との実践的な関係性を最前線で見てきた“文脈の蓄積』であり、それを翻訳し社会に届けるという宣伝会議ならではの立場だった。

|2| “語り場”ではなく“指標を示す場”へ

現代の多くのマーケティングイベントは、「企業の成功事例の発表会」にとどまっている。宣伝会議が目指すべきはそれとは異なる。業界の未来に対して“価値基準”を提示し、“問い”を投げかける場であること。そのためには単にスピーカーや企業の多様性ではなく、思想・方法・美意識に通底する軸を持つことが重要だった。

|3| “年4回のイベント”を1つの“統合ブランド体験”に

SUMMIT、SIMC、アドタイデイズとそれぞれ異なる文脈やテーマを持つイベントを、単発で終わらせず、共通した思想と価値観の下に連結されたブランド体験へと統合することが求められた。その鍵が、「Marketing × Creative」というキーフレーズであり、全イベントで共有されるビジュアルモチーフやトーン設計、コピー開発であった。

|4|「日の丸」に込めた意思表示

今回のブランディングにおいて象徴的だったのは、モーションロゴに“日の丸”を組み込んだというデザイン的決断である。これは、宣伝会議が単なるイベント主催者ではなく、「日本のマーケティングとクリエイティブの未来に対する意思を発信する存在」であることの象徴であった。ナショナルクライアントや制作会社を巻き込みながら、日本ならではの思考と感性が世界と交差する場を生み出す——その覚悟と宣言である。

|5|「老舗」から「原点回帰」へ、そして“未来の起点”へ

宣伝会議という存在は、単なる古参の“プラットフォーム”ではない。原点にあるのは「問い」を立てる知性、社会との接点を読み解く感性、そして業界を育てる責任である。今回のイベントブランド再設計は、決して過去の焼き直しではなく、むしろ“原点から未来を見直す”ためのプロジェクトであり、宣伝会議の「これから」の始点だった。

About

Date 2020
Industry Retail
Location Japan

Information

Grand design

Katsunori Nishi
Creative Director / Art Director
Yoshimi Ogasawara
Graphic Designer
Ryota Ichikawa
Graphic Designer
Koji Kitada
Graphic Designer
ALPHABOAT
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