Overview
ShinkoQは「汚れを落とす」のではなく「汚れを寄せつけない」新発想のヘアケアブランドとして誕生。日中両市場を想定し、アンケート調査を通じて「アンチポリューション」という共感性あるコンセプトを確立した。競合分析を経て、“新しさ”と“王道感”を両立するデザインを追求し、スラッシュ(/)を象徴としたシンボルを開発。リアル店舗とECを見据えた視認性重視の設計により、機能性とブランド力を備えた新カテゴリの確立を目指した。
ShinkoQは、既存のヘアケア発想とは異なる、新たなソリューションを探るプロジェクトとして始動した。そもそも髪の毛は、皮膚の5倍以上もの表面積を持ち、汚れが非常に付着しやすい性質がある。だからこそ、“洗い落とす”のではなく“付着しにくくする”という逆転の発想が出発点となった。
プロジェクトは当初から日本と中国、両国での販売を前提に設計された。そこで両国の女性に対してアンケート調査を実施。髪に対する悩みや求める効果についてのニーズを抽出し、「アンチポリューション(大気汚染などから髪を守る)」という明快で共感性のあるコンセプトに結晶化した。
「新しいカテゴリをつくる以上、そのカテゴリ内での第一想起を獲得しなければ意味がない」——この思想のもと、既存の市場や競合製品を徹底的に分析。見た目だけで流行を追うのではなく、“新しさ”と“王道感”を兼ね備えたビジュアルを探る。記憶に残りやすく、ブランドとして自立できる骨格が求められた。
100案を超えるデザイン試作の中から、最終的に選ばれたのは、コンセプトである“アンチ”を視覚的に象徴する「スラッシュ(/)」のモチーフ。これは否定・遮断・切断といった意味を含みつつ、スタイリッシュでモダンな印象を与える記号でもある。その角度、太さ、位置に至るまで、幾度も検証を重ねながら精緻に設計された。
販売チャネルにはECだけでなく、LOFTなどのバラエティショップも含まれていた。そのため、実際の売り場を何度も視察し、棚の中でどう視認されるかを徹底的に研究。デザインとプロダクトの“空間的存在感”にこだわり、単なるパッケージではなく「売れる構造」として商品を捉え直した。
Date | 2021.3.20 |
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Industry | Retail |
Location | Global |
Grand design