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Overview

沖縄県竹富町では、観光客増による生活環境や自然への影響を受け、「責任ある観光(レスポンシブルツーリズム)」を推進。ルールの啓発ではなく、情緒的な共感を通じた行動変容を目指し、ブランドメッセージ「またね」を軸にしたコミュニケーションを設計した。島の語りを中心にしたムービーや、スクロールで物語が展開するWEBサイトなどで、文化や自然への理解と共感を醸成。さらに、空港や船会社でのオフライン施策や、SNS・GDNを活用した広告展開も実施。「またね」は単なる別れの言葉でなく、継続的なつながりの象徴として機能し、来訪者が自発的に地域と関係を築く観光体験へと昇華することを狙った。

Creative idea

|1|「またね」に込めた竹富町の想い

竹富町の発信するコミュニケーションでは、別れの言葉でありながら次の再会を願う「またね」を象徴として起用することにした。町の自然・伝統行事・風景といった地域固有の要素を組み合わせることで、訪れた人が竹富町とのつながりを深く感じられるようにデザインすることに。この「またね」に込められた意味を、観光客に対し感情的な共鳴を促すメッセージへと昇華させた。

|2| 語りで紡ぐムービー

ムービーでは、島の人々の語りを中心に構成。文化や自然の豊かさを伝える話を中心に、「責任ある観光」が強制ではなく、観光客自身が共感し、自発的に行動したくなるような設計をした。

|3| ウェブサイトで体験する「またね」の物語

ウェブサイトでは、ユーザーのスクロールに応じて「またね」のストーリーが展開されるインタラクティブなUIを採用。訪問者は物語を読み進めるように、竹富町の価値に触れる体験ができる。

重要な設計は以下:
・「地域に受け入れられる旅行者になるための8つのアクション」を水彩タッチのビジュアルで表現
・ 伝統行事や文化に触れる「私たちの『たからもの』」インタビューページ
・ 来訪者が自らの「またね」を投稿できる参加型コンテンツの設置
・「学ぶ」「体験する」「共感する」という一連の流れが、サイト全体を通して自然に組み込まれている。

|4|「またね」を広げるデジタル施策

GDN、SNS、YouTube、LINEなどの各チャネルにおいてターゲットごとに最適化された広告展開を実施。「またねロゴ」と「責任ある観光」メッセージをA/Bテストし、より高いエンゲージメントを獲得できるデザインを選定した。さらに、羽田空港「フューチャービジョン」では、圧倒的な自然美を前面に押し出した映像を制作。島の人々の語りと「またね」という言葉が融合し、強い印象を残すコンテンツとして展開した。

|5| 現地での接点をつくるオフライン施策

オフラインでも竹富町の世界観を強化。観光客が訪れる船会社や空港、港までのバスなどに「またね」のポスター・ステッカー・POPを設置し、視覚的な印象を後押しした。

|6|「責任ある観光」への共感から関係構築へ

一連の施策を通じて、「またね」という言葉が観光客と竹富町との感情的な橋渡しとなった。結果として、「責任ある観光」という概念は押しつけでなく、訪問者が自発的に文化や自然を尊重し、継続的な関係を築いていく新たな観光体験として確立した。

About

Date 2023.12.20
Industry Public service
Location Global
URL https://taketomi-shimajikan.okinawa/responsible-tourism/

Goal & Objectives

01 観光と地域の共生 急増する来訪者による島民の生活や自然環境への影響に対応し、観光業と地域社会の持続可能な共存を目指す
02 責任ある観光の推進 ルールの押し付けではなく、「レスポンシブルツーリズム(責任ある観光)」を浸透させ、訪問者の意識変容を促す。
03 ブランドイメージの確立 「またね」という島の文化を活かし、観光客が地域の価値に共感し、竹富町のブランドとして定着させるコンテンツを展開

Information

Grand design

Yu Yamanoha
Art Director /
Photographer
Miho Takano
Production Manager

Outsourcing

Wataru Tamanaha
Web Director
Choji Nakahodo
Director
Yufuko Matsushima
Producer
Akiko Mizuno
Photographer
Nami Yoshihama
Illustrator
Shinichiro Hada
Account Director