Overview
パナソニックが立ち上げた「空質空調社」は、“家電のパナソニック”から“空気の専門家”へ進化する挑戦だった。空気の質という見えにくい価値を、生活者・企業の双方に信頼感をもって伝えるため、私たちはコーポレートアイデンティティの再構築を担当。ロゴやコピー、グローバル対応の資料制作、UX設計に至るまで一貫して支援した。歴史あるブランド資産と調和させながら、新たな専門性と美意識を兼ね備えた空気ブランドとしての第一歩を支えています。
2021年10月、パナソニックは「空質空調社」を新たに立ち上げた。それは単なる組織再編ではなく、家電メーカーとしての枠を超えて、“空気”という見えない価値を専門的に語れる会社へと進化する挑戦だった。
「空気の質」をキーワードに、換気・空調・空気清浄を統合的に扱うソリューション企業としての再スタート。その出発点において、我々に託された課題は次の通りだった:空気の専門性を可視化し、生活者・企業両面に新たな価値を伝える“コーポレートアイデンティティ”をどう築くか?この問いに応えるため、コーポレートサイトや会社案内、ロゴ統制、海外対応まで一貫したブランディング支援を行った。
パナソニックは従来、「家電のパナソニック」として認知されてきた。しかし空気にまつわる領域は、住空間だけでなくビル・病院・公共空間にも広がり、より専門性の高いソリューション提供が求められるようになっていた。
そのため新会社「空質空調社」では、
・ 空気に特化した専門技術の伝達
・ ソリューション型の提案力
・ グローバル展開に対応した企業メッセージ
を明確に打ち出す必要があり、我々は会社案内・コーポレートサイト立ち上げから関わり、「空気を扱う企業」としての第一印象づくりに寄与した。
空気領域の新会社設立にあたり、課題となったのが「旧来ブランド資産との整合性」である。パナソニックには歴史ある空調製品群とロゴが存在しており、それをどう新会社のブランドとして再構成するかが重要だった。
・ プロダクトカテゴリーごとのロゴタイプの整理
・ 共通フォントの開発
・ サービス名・技術名の命名ガイドライン
・ 全体を統括するロゴ統制ルールの策定
これらを通じて、「変わった」と感じさせながらも「変わりすぎていない」——そんなリブランディングを実現した。
コーポレートサイトや会社案内にとどまらず、空質空調社のあらゆるマーケティングマテリアル(支援ツール)に対して、ブランド視点からのデザイン支援を継続している。
・ 海外向け資料に合わせた多言語展開(英語版対応)
・ 空気質啓蒙プロジェクト「Quality air for life」からの一貫したトーン設計
・ ソリューション型提案書、展示会ツール、PR映像等への応用
これらを通じて、「空質空調社」という存在がテクノロジー企業としても、美意識のあるブランドとしても信頼される構造をつくっている。
空気は目に見えず、存在感も薄い。しかし、パンデミックや気候問題を背景に、空気は“感じるもの”から“選ばれるもの”へと進化している。我々が目指したのは、「空質」という言葉に、意味と信頼を宿すブランドづくり。そのためにデザインだけでなく、
・ コピー開発
・ コンテンツ構成
・ サイト内UX導線
に至るまで、「伝わる」ではなく「信じられる」ブランド体験を設計してきた。
空質空調社の立ち上げは、単なる新会社の誕生ではない。
空気の価値を再定義し、それを生活者と産業界に届けるためのブランドシフトである。
目に見えない価値を、見えるかたちに。
私たちは、空質空調社が“空気の専門家”として社会に機能するための、言語・ビジュアル・構造のすべてを支えるパートナーとして、このプロジェクトに伴走している。
Date | 2024 |
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Industry | Retail |
Location | Global |
URL | panasonic.com/global/hvac/ |
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