Projects

Overview

THREEPPYは「安くて可愛い」から「私らしくて上質」へとブランドを刷新。スローガン「あいらしい。そして私らしい。」を軸に、商品開発から店舗デザインまでを一貫して再設計しました。実用性と高見え感を備えた「大人カワイイ」商品は、価格以上の価値を感じさせる設計で、従来の“価格訴求”を超えた購買体験を創出。SNS戦略も成功し、Instagramフォロワーは一気に約10万から30万へと増加、投稿・レビューの自発的拡散が販売を後押ししました。空間・商品・情報が統合されたことで、300円ショップの枠を超えた新たな生活提案ブランドとして市場に定着し、海外展開も加速中です。

Creative idea

“安くて可愛い”から、“私らしくて上質”へ

THREEPPYは、300円ショップとして2018年に誕生し、ポップでガーリーなファンシー雑貨を中心に展開してきた。しかし、ライフスタイルの多様化が進む中、年齢・価値観を問わず選ばれるブランドへと進化する必要性が高まっていた。特に課題となっていたのは、以下の点:

・ 商品構成に一貫性がなく、ブランドらしさが伝わりにくい
・「可愛い」の解釈は広範囲すぎ、方向性が散りやすい
・ SNSや実店舗での体験価値が価格以外で語られづらい

このような状況の中で、私たちが担ったのは、“ファンシー”から“上品で機能的な大人カワイイ”へのリブランディング設計「あいらしい。そして私らしい。」というブランドスローガンを体現するために、コンセプト・商品構成・デザイン・店舗体験・情報発信のすべてを再定義するプロジェクトが始まった。

|1| ファンシーからの脱却──「大人カワイイ」へのブランド進化

これまでTHREEPPYは、キャラクターグッズやカラフルな雑貨を中心とした“可愛い”に寄ったラインナップで構成されていた。しかし、より長く愛されるブランドとして成長するためには、「誰の暮らしにもなじむ、感度の高い可愛らしさ」が必要だった。そこで私たちは、「大人カワイイ」を独自に定義。

・ 実用性を備えた上品なデザイン
・ 過度な装飾を排した洗練されたラインナップ
・ ファッション・インテリア・コスメまでライフスタイルを包括的にカバー

これにより、若年層はもちろん、30〜40代の女性にも刺さる世界観へと刷新された。

|2| 商品構成から世界観を再設計──“使いたい”と“ときめく”の両立

ブランド価値を体感できるのは、何よりも商品そのもの。私たちは商品開発の段階から関与し、以下のような設計思想を取り入れた:

・ 実用性重視のアイテムはシンプルかつ高見えするデザインに
・ ビジュアル映えを意識したアイテムは装飾性と世界観演出を強化
・ 品質と価格のバランスを徹底し、“これで300円?”の驚きを仕掛ける

その結果、実際に使いたくなること・SNSでシェアしたくなることの両立を実現し、従来の「安いから買う」を超えた“愛着”の醸成につながった。

|3| ビジュアルと店舗デザインでつくるブランド体験

ブランドの主張を押し付けるのではなく、商品が暮らしに自然と溶け込むこと。この思想は、VI(ビジュアル・アイデンティティ)や店舗デザインにも一貫して反映した。

・ ロゴ、色、フォントは“主張しすぎない上品さ”で統一
・ 店舗はグレーやナチュラルウッドを基調に、商品が引き立つ構造に
・ 売場演出では“ときめき”を大切にしながら、生活に近いシーン提案を導入

これにより、「300円ショップ」から「私らしい暮らしを見つける場所」へと空間価値が進化した。

|4| SNSで話題から共感へ──拡張するブランドの輪

「大人カワイイ」の明確な世界観は、SNS上でも大きな反響を生んだ。Instagramのフォロワーは約10万から30万へと急増し、「THREEPPYらしさ」に共感する投稿やレビューが自然発生的に広がっていった。これは単なるリブランディングではなく、顧客との“共感関係”をつくるためのブランド再構築であり、今では海外出店も進む中で、共通言語としての“ときめき×実用性”が、国を越えて受け入れられている。

About

Date 2022
Industry Retail
Location Global
URL https://www.threeppy.jp/item/

Information

Grand design

Koji Kitada
Art Director / Designer
Minami Yoshimoto
Art Director / Designer
Yuka Okamura
Designer

Outsourcing

Kaori Ishimatsu
Copy Writer